開催日時・場所
日時 | 2017年8月18日(金) 10時30分〜17時00分 |
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場所 | 大阪大学 吹田キャンパス工学部M1棟313講義室 |
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1 | |
アクセス(リンク先地図内の中央左よりのオレンジの領域の建物 M 1になります.) | |
参加費 | 無料 |
事前申込 | 不要 |
プログラム
10:30〜12:00
関口 和真(東京都市大学)
厳密線形化法の入門から最近の話題まで
概要:座標変換,入力変換,時間軸変換,入力の動的拡張といった手法の組み合わせによる厳密な線形化に関する話題を概観した後,講師が近年開発した新しい線形化手法を紹介する.この線形化手法は従来の線形化手法において,線形化可能かを判断する指標であるデカップリング行列の正則性の条件を緩和することで,静的フィードバック変換での変換の自由度を拡張する手法となっている.この緩和によって,多くの機械系を含む広い適用範囲を持つ動的拡張手法と同等の線形化可能性を,静的フィードバック変換のみで実現する手法である.講演では提案する線形化手法と従来手法との関係について解説すると共に,機械系に対する適用例を示す.
13:30〜14:35
中村 文一(東京理科大学)
層理論を利用した制御系設計
概要:本講演では,制御系が定義される空間を底空間とする層を構成し,層と底空間の性質を対比することによる制御系設計法について紹介する.はじめに層理論の概要を説明した後,層上の制御リヤプノフ関数の最小射影が底空間のリヤプノフ関数となる最小射影法を紹介する.さらに,最小射影法の応用として,目標状態集合への制御,経路追従制御,微分フラットシステムに対する静的制御系設計法を紹介する.
14:45〜15:50
片山 仁志(静岡大学)
非線形システムのオブザーバの基礎とサンプル値系への拡張
概要:非線形系のオブザーバ設計は主に連続時間系に関して議論され,簡単に述べれば,線形系のオブザーバ理論の結果からオブザーバの構造は類推可能なため,設計問題は推定誤差システムの安定性の議論に帰着されている.しかし,非線形系では推定誤差システムを陽に求められないため,非線形系の構造の特徴の利用,線形化,変換等の方法による誤差システムの導出と安定性の保証によるオブザーバ設計法が提案されている.
現代のコンピュータの利用による制御系(サンプル値系)では,サンプル点観測からサンプル時刻の不可観測な状態の推定値が分かれば十分な場合が多い.このため,連続時間系のオブザーバ設計に必ずしも固執する必要はない.そこで,近似モデルに基づく非線形サンプル値制御理論と離散時間オブザーバの構造の利用により,移動体のダイナミクスを含む機械系の非線形サンプル値系に対する簡素なオブザーバ設計を紹介する.
現代のコンピュータの利用による制御系(サンプル値系)では,サンプル点観測からサンプル時刻の不可観測な状態の推定値が分かれば十分な場合が多い.このため,連続時間系のオブザーバ設計に必ずしも固執する必要はない.そこで,近似モデルに基づく非線形サンプル値制御理論と離散時間オブザーバの構造の利用により,移動体のダイナミクスを含む機械系の非線形サンプル値系に対する簡素なオブザーバ設計を紹介する.
16:00〜17:00
市川 正敏(京都大学)
ノイズを利用する事でスムースに駆動する微小物体
概要:ノイズというものは基本的に悪者である.ノイズを如何にして除いて復号するかは信号処理技術の重要な要素であるし,熱ゆらぎに負けない安定性をどの様に確保するかは半導体・磁性体メモリの物理限界を決める最重要な課題である.一方,事例としては限られているものの,ノイズによって情報伝搬効率が向上するという不思議な事例が発見されており,確率共鳴と名付けれられ精力的に研究されてきた.特にリミットサイクルとノイズとの組み合わせに関してはコヒーレントレゾナンスと呼ばれている.我々は,この共鳴現象を利用する事で,ソフトマイクロ物体の振動駆動の動作領域を広げる事に成功した.この研究を中心にミクロな駆動機械を作る試みを紹介する.
問い合わせ先
本研究会に関するお問い合わせは下記までお願いいたします.
tsubakino (at) nuae.nagoya-u.ac.jp ← (at) は @ に変更してください.