公益社団法人 計測自動制御学会 制御部門

非線形現象の特徴化に基づく制御理論調査研究会 第4回研究会

非線形現象の特徴化に基づく制御理論調査研究会では,下記の通り第4回研究会を開催します.本調査研究会の委員だけでなく,どなたでも事前の申し込みなくご参加いただけますので,興味をお持ちの方の積極的な参加をお待ちしております.

開催日時・場所

日時2017年11月21日(火) 13時00分〜17時00分
場所青山学院大学 青山キャンパス5号館2階 525教室
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
キャンパスへのアクセス
キャンパス内マップ(リンク先地図内のほぼ中央の建物になります.)
参加費無料

プログラム

13:00〜14:00

佐藤 訓志(大阪大学)

連続時間確率システムの基礎から確率最適制御まで,そして統計的推論との関わりへ

概要:本講演では,確率的不確かさを含む連続時間動的システムとして,確率微分方程式で表される確率システムを考える.まず,連続時間確率システムの基礎事項について,測度論,確率過程論などの予備知識を仮定しない説明を行う.つぎに,確率的不確かさの下で評価関数の期待値を最小化する制御入力を求める問題である確率最適制御問題について述べる.ここでは,上記問題の定式化と,その具体的解法の一つとして制御理論と統計力学的手法を融合した解法を説明する.さいごに,時間が許せば,確率最適制御の解法と統計的推論との関連についても紹介したい.

14:15〜15:15

藤本 健治(京都大学)

宇宙工学における制御の話題

概要:宇宙工学分野での制御技術は,軌道制御,姿勢制御,軌道姿勢決定の3つの問題に大別され,それぞれ制御工学分野の言葉でいえば,軌道計画,フィードバック制御,状態推定の問題に対応する.これらの分野から,講演者のグループで最近行っている研究として,変分アプローチを用いた新しいロバスト有限時間最適制御,クォータニオンなどの冗長表現を用いたハミルトン系のフィードバック制御,出力方程式の線形化による姿勢推定,などの複数の話題を紹介する.

15:30〜17:00

蓮尾 一郎(国立情報学研究所)

圏論と論理学のもたらす抽象化とその応用: ソフトウェアから物理情報システムへ

概要:計算機と物理プロセスが融合し協働する物理情報システムなどの例にも明らかなように,今日ソフトウェアの使用環境は急速に多様化しつつあります.さまざまなシステムにおいて計算機による制御が導入され,自動運転などの革新的新機能が実現される一方で,計算機(特にソフトウェア)に内在する複雑さにより,これらのシステムの品質保証はこれまでになく困難なものになっています.この困難に立ち向かうべく,ソフトウェア科学をはじめとした多種多様な学術分野の叡智を結集し,産業界とも協働しながら理論と実践の両面で研究を推進するのが昨年始まった JST ERATO 蓮尾メタ数理システムデザインプロジェクトです.本発表ではこのプロジェクトの目標と学術的背景についてお話します.その中で特に,圏論と論理学という現代数学の2つの「言語」が,その抽象化・一般化力を通して,どのように具体的な応用に貢献するのか,お伝えしたく思います.

問い合わせ先

本研究会に関するお問い合わせは下記までお願いいたします.

  tsubakino (at) nuae.nagoya-u.ac.jp ← (at) は @ に変更してください.