公益社団法人計測自動制御学会 制御部門

非線形現象の特徴化に基づく制御理論調査研究会

Research committee on control theory capturing underlying nonlinearities


設置の目的

非線形現象は制御システムにおいて普遍的に現れ,それが現代社会における様々な人工的システムの性能限界の要因となっていることが多くあります.一方,非線形現象は自然界や生命体において鍵となる機能を提供しており,例えば電子素子などでは,古くから非線形現象が要素的に活用されています.しかしながら,結合により作られた統合システムを扱うシステム論では,非線形性は画一化の妨げになるため除外され,近似誤差として扱われることが少なくありません.これによりシステム論に基づく設計に性能限界や無駄なエネルギー消費や劣化が生まれるだけでなく,非線形要素が結合して生まれる非一様の予期しないダイナミクスによりシステム性能が支配され,操作不能状態,混沌・崩壊に陥ることが起こり得ます.

非線形制御理論は,沢山の数式ツールを提供し続け,国内でも最先端の理論開発が多く行われています.しかし,非線形制御理論が実現象から離れて数式上の画一化の方向のみに進むと,実現象が除外される,あるいは,効果的に現象を活用できないこととなり,性能限界の打破は達成できません.

そこで本調査研究委員会では,非線形システム制御理論において別々に開発されている様々な数式アプローチを,実システムの非線形現象を特徴化するという共通視点で最先端の状況を整理し,理論発展を実システムに対する解決力を高める方向に向け,応用的研究の加速する発展を目指すことを目的としています.

想定するアプローチ

設置期間

2016年1月1日から2018年12月31日